「ほめること」はいいことか?


アルフレッド・アドラーは一世紀前に活躍した心理学者です。 

日本での知名度はそれほど高くありませんが、フロイトやユングと並ぶ心理学の三大巨塔の一人です。 

当時、彼が展開した思想には、現代社会にも通じる斬新さがあります。 

アドラー心理学は、多くの方々の人生を変えるほどの影響力を持っています。 

このコラムでも少しずつ紹介していきたいと思います。


アドラー心理学では「叱ること」も「ほめること」も認めていません。 


部下や子どもを「ほめること」はいいことではないか? 

 「ほめて伸ばす」方法もあるのだよ! 

 「叱ること」も教育だよ! 


そう聞こえてきそうですが、アドラーはそうではないと言っています。 

これらの行為の問題点は「能力のある人が能力のない人に下す評価」です。

これらの行為の目的は「相手を操作すること」に過ぎません。 


人間の悩みのほとんどは「対人関係の悩み」です。 

相手が自分のことを対等に見ていないのであれば「自分には価値がある」と思えなくなります。 

では、「自分には価値がある」と思ってもらうようにするには、どうすればいいのでしょう? 

自分の価値を感じる時‥「他人の役に立てた時」です。 

どんな時?

お礼を言われた時です。

 ただ「ありがとう」と言ってみてください。

この言葉は上から目線の評価ではなく、相手の貢献に注目し気持ちを伝える言葉です。

「ありがとう」と言えるのは対等な横の関係です。 


例を示すなら、 

私のコラムに対して「文章が上手ですね」ではなく、「コラムを読んで心がラクになりました。ありがとうございました。」と伝えるのです。


縦の関係は競争を招きます。 

横の関係でいる限り、自分を誇示し背伸びする必要もなくなります。 

人を見下す、腹を立てるといったこともなくなります。 

「叱ること」も「ほめること」もしてはいけません。 


【関連動画】

人を操る方法「叱る」「褒める」/たかみ総合企画



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