課題の分離

「私は、あの人のためを思って言っているのに、全然聞いてくれないんです。」 

「あなたのためを思って・・・」と言われた本人は迷惑しています。 

そこから人間関係のトラブルが発生することもあります。 


このような場合、アドラー心理学では「それは誰の課題か?」と問います。 

「その問題を放置した場合、不利益を被るのは誰か?」考えてみればわかります。 

人は他者の課題に踏み込んではいけないし、又、自分の課題にも踏み込ませてはいけません。 

このことを「課題の分離」といい、対人関係の基本原則になります。 


例えば、子どもが勉強しないのは、子どもの課題であって、親の課題ではない。 

子どものためを思い、親が「勉強しろ」とか「いい学校に入れ」とか言うのも、子どもの課題に土足で踏み込んでいるようなものです。

本当は、自分の支配欲を満たしたり、世間体を取り繕うとしているだけです。

そして、子どもはそれを察知して、支配されることを拒絶します。 


友人間や職場でも同様です。 

もし、あなたが円滑な人間関係を築きたいなら、決して他人の課題に土足で踏み込んではいけないし、踏み込ませてはいけません。 


陰口を言われても、嫌われても、相手があなたをどう評価するかは相手の課題です。 

愛した人が、あなたを愛してくれるかどうかは相手の課題です。 

あなたの進学、就職、結婚に親が悲しんだとしても、それは親の課題です。 

他者の課題に責任を感じてはいけません。 

他者の課題を背負うから苦しくなるのです。 


課題を明確に分離すると、対人関係もぐんと改善し、人生に革命が起こります。

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